Month: 12月 2022

『ラーゲリより愛をこめて』

先日、映画『ラーゲリより愛をこめて』を見てきた。シベリアの捕虜収容所の話で、元嵐の二宮君が主演の映画だ。ソ連が日ソ不可侵条約を破棄して満州を空爆する映像がオープニングだった。家族が離れ離れなる。父親が「こうして家族で食事ができる今が一番大切」と力説する。

収容所生活では仲間たちから絶大な信頼を受ける。そんな時病気にかかり、余命3ヶ月の運命となる。家族は父の帰国を首を長くして待っている。『ダモイ』を合言葉に収容所の捕虜たちは希望を捨てずに生きていく。『ダモイ』、ロシア語で『帰国』を意味する。仲間たちは余命のない主人公に、家族に遺書を残すことを勧める。遺書は書けるが、ソ連兵に見つかると文字はスパイ容疑として逮捕されてしまう。案の定、隠した遺書はすべて見つかって取り上げられてしまった。この事態を予測していた仲間たち4人は、全ての遺書を4つに分解して、それぞれが、遺書の文章を朗読できるまで暗記した。帰国後、遺族の家にそれぞれ4人が出向き、父親の遺書を文章にして届け、その場で朗読する。この映画は戦争映画ではなく、出口の見えない今を生きる人たちに向けたメッセージだと痛感した。

私の父親は、そのシベリアで収容所にいた人物だ。遺品の中には竹下総理からの3段重ねの金杯があった。映画を見てあの長く苦しい生活が金杯。それを思うと私の父親は何を遺族に伝えたかったのだろうか。

親孝行には厳しい現実が付きまとう。

第4回教育セミナー開催

2023年1月29日(日)10:00~12:00 (オンライン参加OK)

一年を通して開催させて頂きました教育セミナーも4回目を迎えました。

今年度最後のセミナーのテーマは『進路』です。

子どもの将来を考えての進路選択については、日頃より悩まれているかと思います。

是非ご参加いただきまして、不安や悩みをご相談ください。

概要はこちらをご覧ください。

M-1グランプリ

年末になるとお笑い芸人のM-1グランプリが行われる。芸人さんの努力の結晶とも思われるほどの盛り上がりを見せている。

TVで拝見すると、審査員の好みがはっきりしている。何を基準にしているのか疑問に思う時があるが、自分の面白い事が他人には面白くないと伝わっている。

優勝すると1000万円の賞金がもらえる。賞金の背景より優勝した後TV出演やCM出演などオファーが殺到する。収入も急激に上昇する。生きるための関門でもあるようにも思える。優勝できなくてもM-1グランプリのファイナリストであれば出演をきっかけに今後の活動に大きく影響する。審査員の判断がその芸人の人生を大きく左右するのだ。

人の価値観は違っていていいと思う。その不安定な基準で優勝する芸人さんは本物に思われる。ネタも考えないと作れない。知能を活かし、お笑いという内容で人前で披露する。単純なお茶の間での笑いではないところに、芸術性を感じるのは私だけだろうか。

ネタ作りからコンビでの打ち合わせ、本番までの練習。など苦労の数をあげればきりがなだろう。世の中の暗いニュースが蔓延している中で、笑いは世界を救う力があるのではないだろうか。

我が子を思う

『LION(ライオン)25年目のただいま』という題名の映画がある。5歳のサル―が停車中の列車で眠り込み、見知らぬ土地に運ばれ、そこから数奇な人生を歩むことになるストーリーだ。実話である。サル―は、やがてオーストラリアの夫妻の養子になる。大学のクラスメイトとGoogleアースを使い、かすかな記憶を頼りに生まれた故郷を探し始める。苦労して見つけた結果、故郷の実母と妹に会うことができた。兄はサル―が列車に乗り込んだ直後、後続列車にはねられ死亡していたことが分かった。

この映画の主人公、サル―・ブライアリー氏は、自身の経験からインドで孤児院を運営している。オーストラリアへの養子縁組の活動も積極的に取り組んでいる。孤児たちの実情は政界中に広まったことだろう。

自分の子どもがこうなっていたらどうだろう…。映画を見た親は共感して、何かできないだろうかと思い始めるに違いない。比較にはならないが、私も「不登校生」が通うフリースクールを運営している。我が子の不登校経験を活かしての思いは一つである。

通信制高校1月学校説明会

1月14日(土)14:30~15:30

星槎国際高等学校宇都宮キャンパス夢作志学院 

学校説明会を実施します。

1,学校説明:夢作志学院の通信制について

  ①夢作志学院の通信制ってどんなところ?

  ②入試概要・単位授業・課外授業などを詳しく解説します

  ③個別相談:不安な点・疑問点などお気軽にご相談ください。

☆下記リンクよりお申し込みください☆

https://forms.gle/hJTCqPqX1jBkrjyG8

しもつかれ

栃木の郷土料理に『しもつかれ』がある。幼少時代は見向きもしなかったが、糖質やカロリーを気にする年齢になると、やけに『しもつかれ』が美味しく感じるようになった。それぞれの家庭で味も違うと言われ、手間もかかるようだ。ただ見た目が今一つで、透明のビニール袋に入れたりすると、まさに勘違いも甚だしく一気に食欲が減退する。ところが、食べてビックリなかなかの味だ。見た目と味がこれほど違うものはそうあるもではない。

人も同じに思える。見た目もあるが、人の本質はもっと大事になる。表面だけでは我が子すら分からない事がある。我が子だからという思い込みを捨て、一人の人間として成長を見守ることは不可能だろうか?世の親たちが、我が子だからの思いを捨てられたら『不登校生』たちはどれほど救われ、正常な親子関係を築けることだろう。

「師走」~しはす~

師走である。

和尚さんが二人で「おしょうが(ツー)」(お正月)…。昭和の漫才ではよく耳にしたおやじギャグである。

師は僧侶を指すようで、昔は冬の季節に仏事が多かったようで、師が忙しく走り回る「しがはせる」、ここから「しはす」になったという説の一つである。

僧侶は昔から知識・知恵者で戦国時代は武将を育てるのに必ず僧侶が出てきた。今川家の家臣に「太原雪斎」とい軍僧がいた。人質時代に徳川家康もこの軍僧に影響を受けている。説話の一つに雪斎が元家(家康)に「信・食・武から最初に除くとすればどれか?」と聞くと、元家は「武」と答え正解した。次に「信」と答え、「食」を残した。雪斎は「大将という者、一つの饅頭を家臣に分け合えば家臣と共に生きられ「信」も生まれる、大将が独り占めすれば家臣はない。」と伝えたそうだ。家康の忍耐強さは、ここにあったのではないだろうか。

忍耐とはいかなくても少しの我慢は何事にも必要と思う。戦国時代は大将の器で家臣との間に「信」が生まれた。現代ではそうだろうか?一国の首相と国民はこの「信」で繋がっているだろうか?