我が子を思う

『LION(ライオン)25年目のただいま』という題名の映画がある。5歳のサル―が停車中の列車で眠り込み、見知らぬ土地に運ばれ、そこから数奇な人生を歩むことになるストーリーだ。実話である。サル―は、やがてオーストラリアの夫妻の養子になる。大学のクラスメイトとGoogleアースを使い、かすかな記憶を頼りに生まれた故郷を探し始める。苦労して見つけた結果、故郷の実母と妹に会うことができた。兄はサル―が列車に乗り込んだ直後、後続列車にはねられ死亡していたことが分かった。

この映画の主人公、サル―・ブライアリー氏は、自身の経験からインドで孤児院を運営している。オーストラリアへの養子縁組の活動も積極的に取り組んでいる。孤児たちの実情は政界中に広まったことだろう。

自分の子どもがこうなっていたらどうだろう…。映画を見た親は共感して、何かできないだろうかと思い始めるに違いない。比較にはならないが、私も「不登校生」が通うフリースクールを運営している。我が子の不登校経験を活かしての思いは一つである。